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大企業の本社が集中する東京=朝日新聞社ヘリから
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 上場企業の2024年3月期決算は、最終的なもうけを示す純利益の総額が3年連続で過去最高になる見通しだ。歴史的な円安が、企業の業績を大きく押し上げている。

 東証株価指数(TOPIX)を構成する企業のうち3月期決算の1292社(金融を除く)の総額について、10日までに発表された720社(約55%)の実績と未発表企業の業績予想などをもとに、SMBC日興証券が試算して13日に公表した。

 売上高は前年比6.0%増の421.5兆円、本業のもうけを示す営業利益は20.9%増の36.7兆円、純利益は14.3%増の33.5兆円となった。

 好業績の要因は約34年ぶりの水準となる円安ドル高だ。特に製造業は海外事業のもうけが円換算で膨らむ影響が大きく、純利益が24.2%も増えた。トヨタ自動車が純利益4.9兆円と国内メーカーで初めて4兆円を超えたほか、他の自動車各社も軒並み増益だった。

 円安は輸入する原材料やエネルギーなどコストの増加にもつながるが、製品やサービスへの価格転嫁が進んだことで、全体的には減収要因にならなかったとみられる。業種別の純利益をみると、食料品が14.7%増えたほか、電気・ガスは前年の赤字から2.2兆円の黒字に転じた。非製造業全体でみても、3.8%増えた。

 コロナ禍が落ちついた影響も…

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